企業向けの性格診断の種類とは?活用方法と重要性を解説
社員の性格特性を知るためのツールに「性格診断」があります。近年では、無料で公開されているものも少なくありません。そこで今回は、企業向けの代表的な性格診断とその特徴を紹介し、性格診断を組織運営に活用する方法や、性格特性を把握することの重要性についてお伝えします。
性格診断とは
性格診断とは、個人の性格特性を評価するためのツールや方法を指します。性格診断結果を本人や職場が活用し、自己理解や他者理解を深めたり、業務に対する適性を見極めたりするのが目的です。一定数の質問に冊子やWebなどの手段で回答することにより、個人の性格特性を分析し、いくつかのパターンに分類します。分析の手法や分類するパターンは性格診断によって異なります。
●性格診断の種類
それでは、代表的な性格診断を見てみましょう。
【MBTI】
MBTIとは、Myers-Briggs Type Indicatorの略で、ユングのタイプ論をもとに1962年に開発されたものです。世界50か国以上で活用される国際規格に基づく性格診断で、各国の専門家により国の文化に合わせた形にされているといわれています。日本への導入は2000年からです。
ものの見方と判断の仕方、興味関心の方向、外界への接し方という4つの指標で、性格を16タイプに分類します。診断結果を受けて自分自身の認知の特徴を知り、自分とは異なる他者を受け入れやすくすることが目的です。
診断をきっかけに変わっていこうとするプロセスや、そのために必要な専門家も育成しています。診断そのものよりも、診断後の活用を重視している性格診断だといえるでしょう。
【16 personalities】
16 personalities は、その名のとおり性格特性を16タイプに分類する性格診断です。93の質問を通して、個人の性格特性を「内向型・外交型」「計画型・探索型」「自己主張型・激動型」などの5つの指標で評価・分析します。
MBTIと同様に、性格タイプは16種類。「分析家」「外交官」「番人」「探検家」という4つのカテゴリー内でさらに4つの性格タイプに分類されます。たとえば「仲介者/INFP」のように、性格タイプは特徴を捉えた名称と4文字のアルファベットで表されます。
性格診断が無料で公開されていることや、カテゴリーにわかりやすい名称、グラフィックが使われていることなどから、昨今SNSを中心に若い世代の人々に親しまれています。
【BIG5】
BIG5とは、1990年代、アメリカの心理学者ルイス・R・ゴールドバーグ博士によって開発されたビッグファイブ理論に基づく性格診断です。MBTIや16 personalitiesのように、個人の性格特性を特定の型に分類するのではなく、性格を構成する5つの要素の強弱で表します。
性格診断の名称にもなっている5つの要素は、「外向性」「協調性」「勤勉性(誠実性)」「情動性(神経症傾向)」「創造性(開放性)」です。これに加えて、「テストの信頼性」「ストレス耐性」「ストレス状況」という8つの要素から個人の性格を分析し、解説します。8つの要素の組み合わせは51パターンあり、最も特徴的な性格を表す一言は2,500パターン以上になるとしています。
【そのほかにもある性格診断】
そのほかにも以下のような性格診断があります。
・Wantedly
・Jobgram
・SPI
・SHL(OPQ)
Wantedlyが公開した性格診断は、全134問で16タイプに性格を分類するものです。Jobgramは、BIG5をもとに開発されたもので、85問の質問を通して2,040パターンの中から最も個人の性格特性に適したものを選びます。この2つはどちらも求人サイトを運営する会社が公開しているもので、ミスマッチの防止や組織運営に役立てることを目的に、無料で性格診断を公開しています。
SPIは、リクルートマネジメントソリューションズによって開発された適性検査です。300問の性格診断を含むもので、就職活動をしたことのある方にはなじみがあるでしょう。
OPQは、SHL社によって開発された性格診断です。業務上で個人が好んだりよくとる行動を明らかにするとしています。日本版が生まれたのは1988年で、現在150か国以上で使われている国際的な性格診断です。
ここで取り上げたように性格診断にはさまざまな種類があり、これが正解という絶対的なものはありません。企業や学校などが、それぞれに適したものを選んでいるといえるでしょう。
性格診断の活かし方
性格診断は、診断結果を活かすところからがスタートだといえます。ここでは、性格診断をどのように企業運営に活かしていくかを見てみましょう。
●配属やキャリア開発
社員の性格特性や強みを把握することで、適切な配属が可能になるといえます。外向性の高い人材を営業部に配置するといった適材適所の配属ができるようになれば、個人の特性を活かせるようになるでしょう。
長期的なキャリア開発においても、社員の考え方や価値観を把握したうえで、将来的なリーダーや幹部候補を選び出すことも可能です。計画的な研修による育成や、何に喜びややりがいを感じるかによって報酬や業務内容を考慮するなど、キャリア開発にも役立つといえます。
●業務やプロジェクトの任命
配属先が合わなかった場合、頻繁に部署異動を行うのは難しいでしょう。しかし、部署内での業務や社内外のプロジェクトを任命するのは比較的容易です。人間には、向き不向きや相性があります。配属先で思うように実力を発揮できない社員がいる場合には、検討すると良いでしょう。
同じ部署の中でも、業務やポジションによって求められる適性は異なります。プロジェクトでは、通常とは異なるチームビルディングやチームワークといった経験が可能です。個々の適性に応じた業務を任せることで、組織としてのパフォーマンスや生産性の向上も期待できるでしょう。
●ストレスマネジメント
性格診断では、どのようなことにストレスを感じるかというストレス耐性や情緒安定性を見ることができます。落ち着いた環境で着実に仕事をこなしたい社員に、状況がめまぐるしく変わり臨機応変さが求められる業務を与えたら、大きなストレスになる可能性があるでしょう。
何をストレスと感じるかは、個人によって異なります。性格診断からストレスの原因(ストレッサー)になりやすいものを知り、業務の種類や量、人間関係、体の健康などを含めたストレスマネジメントに活かしましょう。
職場でのコミュニケーションと自己理解の重要性
社員の性格特性は、決して優劣をつけるものではありません。たとえば、内向的・外向的といった人との接し方や、思考型・感覚型といった判断方法などの違いは個性です。自分の個性がある程度把握できていれば、職場での誤解や摩擦を減らせるでしょう。
重要なのは、性格診断を自分自身に対する理解を深めるきっかけとし、職場でのコミュニケーションに活かすことです。自分と同様に、相手にも個性があるのだとわかれば、個性を尊重し合う気持ちが育っていくことでしょう。
まとめ
性格診断は、個人の性格特性を知ることができるツールです。性格診断結果を企業運営にどのように活かすかを踏まえたうえで、自社に最適な性格診断を選んでください。
キャリア採用の場合には、勤務態度や人柄がわかるリファレンスチェックといった客観的な第三者評価を加えると良いでしょう。社員の性格特性をより正確かつ多面的に把握できます。マイナビのリファレンスチェックサービス「TRUST POCKET」をぜひご検討ください。
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