【採用担当者向け】経歴詐称されやすい項目や採用前の見抜き方とは?
採用活動で応募者を疑うことはしたくないものですが、まれに経歴詐称をしている応募者もいることを忘れてはいけません。
経歴詐称をした応募者を雇用してしまうと、会社は多くのリスクを背負うことになります。そのような事態を避けるためにも採用前に見抜くことが大切です。
今回は、経歴詐称されやすい項目や見抜き方を解説します。
経歴詐称とは
そもそも経歴詐称とはどういった行為でしょうか。なぜ応募者は経歴詐称をしてしまうのか、経歴詐称を発見した場合には警察に通報するべきなのかなど、まずは基本的な知識を押さえておきましょう。
●学歴や職歴を偽ること
経歴詐称とは、応募者が事実とは違う経歴を履歴書に書いたり面接で言ったりすることです。例えば、学歴に実際には卒業していない大学名を書いたり、持っていない資格を取得していると言ったりするなどが該当します。
一般的には、自分の能力を少しでも高く見せるために詐称する人が多いですが、低く見せることも同様に経歴詐称にあたります。病歴や犯罪歴など、就職の不利になりそうなことをあえて隠すことも同様です。
●基本的に犯罪行為ではない
応募者は企業側の心証を良くし、採用を有利にしたいという気持ちがあり、アピールできる経歴を持ちたいと考え、つい詐称してしまいます。また、経歴詐称自体は法律で決められた明確な定義がある犯罪行為ではありません。金銭を目的に経歴詐称をした場合などは詐欺罪に問われる可能性がありますが、基本的に捕まることはないので、採用されたいがために軽い気持ちで行ってしまうのです。
コンサルティング会社であるライトアーム株式会社が2021年に行ったアンケート調査によると、8割の経営者が「応募者に経歴詐称されていた経験がある」と回答しました。それだけ多くの経歴詐称が行われているということを肝に銘じ、採用に臨む必要があるでしょう。
経歴詐称の対象になりやすい項目は
履歴書には多くの項目がありますが、経歴詐称の対象になりやすいものがあります。特に注意が必要な5項目を解説します。
●学歴
学歴が高いと採用が有利になりやすいため、学歴の詐称は頻繁に行われます。実際に卒業した大学よりも偏差値や評判の高い大学名を書いたり、高卒なのに大卒と言ったりすることがあります。ほかにも、中途退学でも卒業したと偽る、浪人や留年の事実を隠すなどさまざまです。
●職歴
職歴は採用後の待遇に大きく影響を与える可能性がある項目のため、経歴詐称されやすいです。未経験の職種でも経験があると言ったり、前職の役職を偽るなどの例があります。また、在籍期間を長く言う、契約社員で勤務していたのを正社員と偽る、転職回数を少なく伝えるなど。「経験者優遇」や「経験3年以上」などの条件を付けている場合、特に注意が必要です。
●病歴
働くうえで支障が出るような重大な病気を持っているのに隠すことなどが病歴詐称です。病歴はすべて開示する必要はありませんが、採用後の労働に影響が出る病気や身体の不調も存在します。せっかく採用しても、休みが多く思うように働いてもらえないなどのリスクがあります。
●資格・業務内容
本当は持っていない資格や免許を、持っていると言うのが資格詐称です。応募にあたって資格保有を条件にしている場合や、資格保有者を優遇している場合は注意しましょう。また、スキルがあると強調するために、実績があるように主張することもあります。例えば、プロジェクトに携わっていただけなのに、責任者と詐称するなどです。
●年収
企業が高い年収を払うほど優秀な人材だというアピールするために、実際の額より多く申告するなど、年収の詐称も多いです。また、企業によっては前職の年収を考慮してそれより高い年収を提示することがあります。それを狙って、かさ増しした額を申告するのです。
経歴詐称者を雇用してしまった場合のリスク
経歴詐称に気づかずに雇用してしまった場合、企業にはさまざまなリスクが生じます。ときには企業の信用問題に発展することも。経歴詐称者を雇用して良いことはありません。起こりうるリスクについて確認していきましょう。
●パフォーマンスが低い
職歴や資格などを詐称した人物は、業務内容に対しての知識やスキルがないことが考えられます。そのため、企業側が期待した成果が出ない可能性が高いです。経歴を信頼してプロジェクトのリーダーを任せたのにチームをまとめられなかったり、業務品質が低下して顧客からクレームが来たりなども考えられます。また、年収を詐称されていた場合などは、能力に見合わない高い給与を払うことになりかねません。
●コンプライアンス意識が低い
意図的に詐称する人物は誠実であるとは言い難いでしょう。日常の業務から嘘をつく可能性もあります。例えば、調子の良いことばかり言ってプロジェクトが全然進んでいなかったり、トラブルがあっても報告しなかったりして後々発覚した際に大問題になることも。
さらに、情報社会の現在、経歴詐称者を雇用したことが世間に知られる可能性も考えなくてはいけません。取引先に知られて契約解除になったり、SNS上で批判が殺到してしまったりということが考えられます。企業にとってネガティブな評判や噂が拡散されるリスクを「レピュテーションリスク」と言いますが、経歴詐称者を雇うことはレピュテーションリスクを背負うことになり、企業の信用低下を招くことになりかねません。
●すぐに解雇できない
入社後に経歴詐称に気づいたとしても、基本的に即刻解雇はできません。経歴詐称は犯罪ではなく、解雇は法律上制限があるためです。学歴や犯罪歴の詐称は、軽犯罪法違反に該当する場合があり、懲戒解雇の対象になることがありますが、悪質なケースに限られます。前職の在職期間を偽る程度では、それだけで解雇する理由にはなりえません。入社した以上、労働契約は成立しています。解雇するには、解雇が当然と言えるほどに企業側が損失を被った場合に限られるのです。
経歴詐称の見抜き方
経歴詐称者を雇用しないためには、雇用前に見抜くことが大切です。見抜くためには応募者を調査する必要があります。経歴が真実かどうか調べることは、本人の同意があれば違法ではありません。では、どういった方法であれば見抜くことができるのか、詳しく解説していきます。
●書類を提出させる
公的な書類や証明書などを提出させることで、事実を確認する方法です。
学歴を確認する場合は卒業証明書の提出が有効です。中途採用の場合は、あまり卒業証明書の提出まで求めることはありませんが、中途採用でも学歴詐称のリスクはあることを認識しておきましょう。職歴を調べる場合は退職証明書や源泉徴収票で在職期間や役職、年収などを確認できます。
●リファレンスチェックを行う
一番確実と言える経歴詐称の見抜き方は「リファレンスチェック」です。
リファレンスチェックとは、プロの調査員が客観的な視点で、応募者の経歴を第三者に確認することです。一般的には応募者の前職の上司などに依頼し、応募者の前職の実績や勤務状況を確認します。第三者に確認することにより、経歴の詐称や誇張に気づくことができます。
リファレンスチェックの特徴は、応募者を直接知る人物に調査するため、応募者の人物像やコミュニケーション能力なども知れることです。書類や面接だけではわからない実際の応募者の姿を知ることで、入社後とのギャップを減らすことができ、採用後のミスマッチの防止にも役立ちます。
まとめ
採用されたいがために軽い気持ちで経歴を詐称してしまう応募者は、少なからずいるものです。万一気づかずに雇用してしまうと多くのリスクが発生してしまいます。本当に優秀な人材か、客観的に見極める手段としてリファレンスチェックを活用しましょう。マイナビのリファレンスチェックサービス「TRUST POCKET」をぜひご検討ください。
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