雇用保険履歴とは?取得方法や活用目的、補う有効な手段も解説
採用活動では応募者の経歴を正確に把握することが欠かせません。たとえば、雇用保険履歴であれば応募者の過去の勤務先や在籍期間が公的に証明されているため、経歴の確認に活用しているケースも少なくないでしょう。
しかし、雇用保険履歴だけでは応募者の人物像や実際の働き方まで把握することは困難です。本記事では雇用保険履歴の基礎知識をはじめ、取得方法や企業側での活用目的を整理し、履歴では見えない情報を補う「リファレンスチェック」のメリットについて解説します。
雇用保険履歴とは?
雇用保険履歴は求職者の在籍事実を確認できる重要な情報です。採用の場では、応募者から提出される書類の整合性を確かめる際に活用されることが多く、信頼性の高い判断材料となります。
ただし、活用に当たっては仕組みや取得方法を正しく理解しておくことが肝心です。ここでは、まず基本的な内容から、実際に取得するための方法、企業が活用する主な目的をそれぞれ紹介します。

雇用保険履歴の基本情報
雇用保険履歴とは、求職者がこれまでにどの企業で、どの期間、雇用保険に加入していたかを記録した公的情報のことです。厚生労働省とハローワークが管理しており、過去の雇用関係を客観的に証明する資料として利用されます。
履歴書や職務経歴書の内容は自己申告ですが、雇用保険履歴は国の公的データであるため、在籍の事実確認のために信頼できる情報といえるでしょう。
雇用保険履歴の取得方法
雇用保険履歴は、おもに3つの方法で取得できます。
【マイナポータルの活用】
1つ目は、マイナポータルを活用したオンライン照会です。マイナンバーカードで本人確認を行えば、自宅からすぐに雇用保険の加入履歴を確認できます。
【ハローワークでの申請】
2つ目はハローワーク窓口での申請です。本人確認書類を提示すれば「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書」などの書面で情報を確認できます。
【雇用保険被保険者証】
1つ目の雇用保険被保険者証は、退職日あるいは退職後などに交付される書類です。ここには、雇用保険の被保険者番号や氏名、生年月日は記載されていますが、加入事業所名や資格取得日などは記載されていない点には注意が必要です。
なお、雇用保険履歴を取得できるのは本人のみで、企業や担当者といった第三者が行政機関に照会することはできません。確認が必要な場合は、必ず本人に資料の提出を依頼し、同意を得た上で取り扱いましょう。
企業・人事担当者が活用する目的
企業が雇用保険履歴を活用する目的は、候補者の経歴が正しいものであることを確認し、採用リスクを軽減することです。履歴書の内容と雇用保険履歴を照合すれば、応募者の在籍期間や勤務先情報の整合性を客観的に確認できます。
特に中途採用では、職歴の信頼性を確保するために雇用保険履歴の提出を求めるケースも増えています。また、勤続期間や転職頻度を把握することで、キャリアの一貫性や定着傾向の判断にも役立つケースも少なくありません。
そのため、採用プロセスの透明性を高めたい企業にとっては採用活動に欠かせない資料といえるでしょう。
【参考】経歴詐称が招く内定取り消しリスクとは?企業がとるべき対策
雇用保険履歴でわかる情報・わからない情報

雇用保険履歴から把握できるのは、あくまでも在籍の事実や雇用期間といった客観的な情報で、採用判断に重要な現場での働き方や人物像など、履歴ではわからない内容もあります。
ここでは、雇用保険履歴で確認できる情報と確認できない情報のそれぞれを見ていきます。
履歴からわかる情報
雇用保険履歴からは、候補者の在籍事実と雇用期間を把握できます。
たとえば、過去にどの企業で雇用保険に加入していたのか、いつ入社し、いつ退職したのかといった記録を確認することが可能です。
また、退職日などに交付される雇用保険被保険者証では被保険者番号や氏名、生年月日の3項目を確認できます。
履歴からではわからない情報
雇用保険履歴は在籍の事実を確認するには非常に有効ですが、「どのように働いていたか」「職場でどのような評価を受けていたか」といった定性的な情報までは把握できません。
たとえば、同じ営業職でも担当していた業務範囲や成果、リーダーシップの発揮度合いなどは企業やチームによって大きく異なり、履歴情報だけでは判断できないでしょう。
ほかにも、応募者の人物像や職場での人間関係、チーム適性などは履歴から把握できません。組織文化や上司との相性によって変わる部分も多いため、採用で人柄を重視する場合には補完的な情報が必要です。
また、雇用保険被保険者証には前職の情報のみが記載されています。前々職から現職への転職までに年をまたいでいないケースなどでは、前々職の情報が引き継がれる場合もありますが、基本的には前職の情報のみととらえておきましょう。
このように、事実を確認する資料として役立ちますが、職務内容や人物像を含む実態までは把握できない点に注意が必要です。
雇用保険履歴だけでは不十分?リファレンスチェック活用のメリット

雇用保険履歴は経歴の裏付けには有効ですが、採用後の活躍や定着につながる情報を得るには限界があります。そこで注目したいのが、前職の関係者に応募者の働きぶりを確認する「リファレンスチェック」です。
ここでは、リファレンスチェックがどのように履歴情報を補完し、採用の精度向上につながるのかを解説します。
【参考】リファレンスチェックとは?具体的な実施方法と注意点【2025年9月最新|人事担当者必見!】
雇用保険履歴で見えない人物像を補える
リファレンスチェックとは、候補者の前職の上司や同僚など、一緒に働いた経験を持つ第三者にヒアリングを行う仕組みです。雇用保険履歴だけではわからない、仕事の進め方やチームでの貢献、本人の人柄などを客観的に把握できます。
企業がこの情報を活用することで、「スキルはあるがチームに馴染めない」「人柄は良いが、成果が安定しない」といったミスマッチを防ぐことが可能です。採用後の定着率向上や早期離職の防止にもつながるため、近年の採用活動では多くの企業がリファレンスチェックを導入しています。
採用リスクを防げる
経歴詐称や職務能力の過大評価などは、採用におけるリスクの代表例です。しかし、面接や書類選考だけでは候補者の実際の働き方を把握しきれないケースは少なくありません。
その点、リファレンスチェックを活用すれば、前職での評価や実績を第三者の視点から確認でき、応募者に関する情報の信頼性が高まります。場合によっては、企業文化との相性やリーダーシップの発揮傾向なども把握できるため、配属や育成計画の立案にも活かせるでしょう。
このように、リファレンスチェックは雇用保険履歴では補えない領域をカバーし、採用の安全性と精度を向上させる手段といえます。
雇用保険履歴とリファレンスチェックの併用で採用精度を高めよう
雇用保険履歴は、候補者の経歴を客観的に確認できる公的資料としては非常に有用な一方で、業務遂行能力や人物像といった採用の精度を左右する質的な情報まで得ることはできません。
こうした雇用保険履歴の限界を補う手段として「リファレンスチェック」を活用することで、採用判断の信頼性を高めることが可能です。
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雇用保険履歴で事実確認をするだけでなく、リファレンスチェックで人物像も確認すれば、総合的な採用判断でミスマッチを防げるでしょう。